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高橋是清の経済政策
2009-10-03-Sat  CATEGORY: PEOPLE
いつか高橋是清の物語を読みたいものだと思っていながら、他の人を主人公に扱った小説なんかで彼の人生を知ったかぶりでしかない。

日本人で奴隷から首相になったといえば、高橋以外にはなく、これからも絶対にないだろう。

だるまは七転び八起き、破産王、高橋是清
には、7回の破産が書いてあるが、内6回は自身の破産。国政では強い経済政策の指導力を発揮したものの、自身のことはまるで駄目である。国策で言えば、昭和恐慌から回復には強硬な景気刺激策をとった。今日で言えば、景気回復を優先した麻生のやり方であり、恐慌を益々恐慌にしたのは井上準之助の引き締めでこちらは鳩山の考え方になるだろうか。
景気優先か倹約優先のどちらがいいのか、というのは、もっと以前にも江戸時代、ドラマでは悪役に帰される田沼時代の重商主義・功利主義と、善役になる松平定信の倹約時代・理想主義でも、比較にはならない。どちらにも良い物もあれば悪い物もあったということだろう。
* 田や沼やよごれた御世を改めて 清くぞすめる白河の水
* 白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋しき
は有名である。どうも、政治や経済の世界に勧善懲悪的なムードを入れたがるのが最近の日本の風潮だろうか。

だるまは七転び八起きに挙げられている7回目の破産は、2.26事件の暗殺以降のことになる。国家経済が逼迫して財源はないのに何としてでも出せ、といったのが当時の軍部であった。7回目の破産は日本の破産である。

軍部の台頭とともに国内は軍需景気で回復していった。しかし内需をどんなに高めても、日本の国家経済はよくならないのは絶対に忘れてはならない原理である。日本が資源を輸入しなければならない国であるのは、工業国に転身した運命である。そして製品を海外に売らなければ、赤字になる一方である。これでは国債は本当に救いようのない赤字にしかならない。
今日でも多額の赤字国債をもっていながら国際的にも円が信用され強いのは、それに見合う国際収支を持っているからである。

高橋はケインズ経済を実践したのだが、戦後、マルクス経済が流行ったこともあってあまり受けがよくないかもしれない。それに加えて、社会経済を教える教師が経済をあまりわかってないようにも思う。まあ、資本主義は駄目だってんなら仕方ないんだが、今日では崩壊した社会主義諸国に比べたらはるかにリッチな生活をやっていた教師が何を言う?って気にもずいぶんなった。

そんなことを書きつつ、高橋の情報をネットで集めていると、
☆☆元銀行員の株日記☆☆BLOG(ブログ)さんの記事、昭和恐慌から得るべき教訓。 高橋是清の凄さ。
にぶつかった。曰く

高橋是清は、軍事予算を増やすと同時に地方での公共事業費を増やしている。学者は、これは土木業者だけが潤ったと、いつも通りのパターンの批難をする。しかしこれによって失業が減ったのは事実である。少なくとも高橋財政政策によって、有効需要が増え、設備投資も増え、都市部の勤労者は潤った。年に 10%の実質成長率を達成できれば、かなりの経済問題が解決の方向に向かうのは当然である。

歴史学者は、高橋是清の政策は、インフレの目を残す政策と言っている。たしかに急速に景気が回復したため、イフンレの徴候が現れた。そこで高橋是清は一転、金融引締めに動いた。日銀が引受けた国債の90%を市中に売却し、余剰資金の回収を行ったのである。実に柔軟な経済運営である。

歴史学者の中には、農村の経済が上向かなかったことを指摘する者もいる。しかし当時、農村では凶作が続いていたのであり、これを高橋是清の責任にすることはできない。どうも歴史学者は、高橋是清の政策を過少評価したり、間違った印象を与えるような記述を行いたがる。これには何か変な意図を感じるのである。

昔から歴史学者にはマルクス主義者や、これに強い影響を受けた者が多い。つまり彼等は、資本主義経済は必然的に恐慌に陥ると言う確固たる歴史観を持っている。したがってこれに対する是清が行った有効な政策に対しては、「将来にインフレの元になった」、「ダンピング輸出」そして「軍事国家への道をつけた」と言った具合にケチをつけるのである。日本の教科書も彼等の影響を受けており、高橋是清の奇跡的な偉業に対する記述がほとんどない。

とにかく日本教科書では、デフレ時にインフレ的手法を用いて経済を立直した為政者の評価が低い。逆に「わいろ」が横行したといった記述がなされたり、流通貨幣増大策を「悪貨は良貨を駆逐する」といった表現で否定する。逆にデフレ政策を押進めるような「清貧の思想」を持った政治家を持上げる傾向が強い。


には共感、やっぱり同じように感じている人がいるんだな、と思った。

☆☆元銀行員の株日記☆☆BLOG(ブログ)さんは、もしもあったなら、高橋にノーベル経済学賞をやるべきだったと書いているが、私も納得、だが、イグ・ノーベル賞の方かなと思う。片面だけ印刷した紙幣を銀行に並べて民衆の安堵を謀るなんて、誰しも思いつかない。そういう奇想天外なアイデアで、いやこの場合には詐欺なんだが、モラトリアムをやった。一方で、景気がよくなってきてから、引き締めを行い、経済市場における健全化を図る正攻法もきちんとやった。
もう一つ重要なことは、景気刺激策はそれをやって刺激される対象があってこそ、ということである。人身売買をやるほどに疲弊した地方は公共事業を喜んだ。しかし、それだけでは驚異的に経済は伸びない。高橋の時代は、軍需産業が伸びていたころであり、生産に結びつき国外に進出することで拡大していく特異な市場を有していた。
さらに重要なことは、高橋のモラトリアムは金融不安を避けるためだけのことだった。経済の基盤建て直しは、犬養毅政権での金本位制離脱を継承した経済政策の見直しと景気刺激の対応策で対応している。

麻生政権では、1)景気刺激のための大型補正予算、2)中小企業補助のための緊急保証制度、3)消費刺激のためのエコカー・ポイント・一時ばらまきの導入、4)国際的財政投入への参加等の複数の施策があった。これらの政策が今すぐ景気回復や暮らしに繋がるわけではない。
一方の亀井のモラトリアムであるが、3年間の元本、利子支払いの猶予をやっても、3年後に中小企業が回復できるような経済政策のテコ入れが民主政権にはない。3年後には支払いが待っているわけだが、アメリカで起こったサブプライム不景気を招きかねない危険性をもっている。そのときの不況は金融が破綻するどん底を日本経済に起こしかねない。




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